フィギュアスケートと言うと、ジャンプばかりがとても目につきますね。ジャンプは転んだのか成功したのかが分かりやすい技。転ぶと『あ~ころんだ~!』と一喜一憂してしまいます。
ですが戦略的に、転ぶことも前提で敢えて高得点の取れる難易度の高いジャンプにチャレンジしている選手もいます。高得点が取れるジャンプに挑戦することで、高得点のジャンプとみなしてもらえれば、転んだとしても高いスコアを獲得することも出来るからです。
ジャンプで転んで大きな減点につながるわけでないと分かっていても、何となく『あ~!』と声に出したくなりますね。ですが、フィギュアスケートは、ジャンプばかりではありません。ジャンプの他には、スピンもステップもあります。このページでは、スピンについて見ていきましょう。
フィギュアスケートのジャンプばかりが目立つけどスピンの種類は?
フィギュアスケートのスピンは大きく分けると3種類あります。
- アップライトスピン/USp … ほぼ真っ直ぐに立った姿勢で回るスピン。
- キャメルスピン/CSp … 上半身と片足を氷と平行にし、T字になるようにして回るスピン
- シットスピン /LSp… しゃがんだ姿勢で回るスピン
スピンを滑り始める最初の時は、体が開いた状態から回転し始めます。そして、スピードが上がるにつれて、体を中心に向かって閉めて、半径を狭めることで、スピードが上がっていく。高速のスピンになっていくそうです。そして止める時には、体を開くことで回転を止めるそうです。
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スピンで上手に回り続けるには、スケート靴のブレードの一点に重心を乗り続けるようにすることが大切だそうです。重心がブレードの前だったり後ろだったりにぶれていると、同じ一点でスピンを回り続けることが出来ないそう。
アップライトスピン【USp】
滑っている方の脚がまっすぐに伸びてる直立した姿勢のスピン。演技の最後に行われることの多いアップライトスピン。スタンドスピンとも呼ばれます。

クロスフットスピン
アップライトスピンの中でも基本ともいえる『クロスフットスピン』。アップライトスピン(スタンドスピン)の姿勢で、スクラッチスピン同様、フリーレッグ(軸足の反対)を交差させて両足を氷について回転するスピン。
スクラッチスピン/バックスクラッチスピン
『スクラッチスピン』は、回転の軸となっている脚に、片方の足を交差させるスピン。半時計回りで回転する場合には、左足が軸となります。時計回りの場合には、右足が軸となりますが、その場合は、『バックスクラッチスピン』と言います。

ビールマンスピン
アップライトスピンの姿勢で回転しながら、持ち上げている脚(フリーレッグ)を頭の上まで上げるスピン。女子の選手がすることが多いですが、男子選手でも出来る選手もいます。
1981年世界フィギュアスケート選手権でスイスのデニス・ビールマン選手が行ったスピン。フリーレッグを両手で持つ姿勢と片手で持つ『ワンハンドビールマンスピン』がある。

ワンハンドビールマンスピン
ビールマンスピンでのフリーレッグ(軸となっていない方の脚)を片手で持つスピンです。

レイバックスピン/キャッチフットレイバックスピン【LSp】
『レイバックスピン』はアップライトの姿勢から上半身を後ろにそらして回転するスピンです。

サイドウェイズリーニングスピン
レイバックスピンのように上半身をそらした姿勢で回転するスピン。横にそらしているところが特徴です。
荒川静香さんによると、立った状態から上体を反ると軸が後ろに行ってしまうそう。軸を取るためには、少し骨盤を前に出すようにして、肩の上あたりに軸があるようなイメージで、回転しながら頭とのバランスをとっているそうです。

ショットガンスピン
アップライトスピンのひとつ。上げた足をフロントへ水平に上げた姿勢で回転するスピン。カタカナの『ト』をさかさまにしたような形になります。

I字スピン
アップライトスピンの1つで、フリーレッグ(持ち上げた足)を前から高く持ち上げた姿勢出回るスピン。アルファベットの『I』という字のように見えることから名付けられたスピン。
綺麗に見えるためには、背中がまっすぐに伸びていることと、あげた足が真っすぐに伸びていることが必要のようですね。それにしても、体柔らかい。

Y字スピン
アップライトスピンの一種。上げた方の脚(フリーレッグ)をよこから高く持ち上げてアルファベットの『Y』の文字に見える姿勢で回るスピン。
A字スピン
足の形がアルファベットの『A』に似ているからこの名前が付いているようです。

キャメルスピン【CSp】
キャメルスピンの重心の軸は、立っている脚の延長線上とイメージすると、荒川静香さんはコメントされていました。駒のように軸足の延長線上を軸として回る。すると、腕を広げたりして、上体のバランスが変わっても、正確に水平を保つことが出来るそうです。

キャメルスピン

フライングキャメルスピン【FCSp】
単体のキャメルスピンよりも、フライングの要素を入れることで、基礎点も上がります。

バタフライキャメルスピン
バタフライの名のように、横向きに跳んだ姿勢の後にスピンに入ります。キャメルスピンスピンに入る直前に、地面に平行になるくらいの姿勢で跳び、キャメルスピンに入ります。何気なく演技を見てしまいますが、よく考えるとすさまじい姿勢になるんですね。

ドーナッツスピン
キャメルスピンの一種。キャメルスピンのフリーレッグを後ろから持ち、ドーナツのように見えるので『ドーナツスピン』の名前が付いています。
日本の中野友加里選手のドーナツスピンは素敵でしたね。

ウィンドミドルスピン
バトン・キャメル/シャンデリアスピン

シットスピン【SSp】
しゃがんだ姿勢で、回るスピン。フリーレッグという氷に接していない足をまっすぐに前方に伸ばします。
前かがみの姿勢で、しゃがんだ時のお尻の位置が膝よりも低くなるように腰を落とし、中腰にならないようにします。

フライングシットスピン【FSSp】
スピンに入る直前に、飛び上がりシットスピンに入ります。

バタフライシットスピン
シットスピンに入る直前に、ジャンプ(バタフライ)をしてからスピンに入ります。

パンケーキスピン
シットスピンの姿勢から軸になっていない足(フリーレッグ)を膝の上にのせ、上半身を

キャノンボールスピン
シットスピンの姿勢から、左右どちらか滑っていない方の脚を手でつかみながら水平に突き出して、頭は、膝の上に来るスピン。

ブロークン・レッグ・スピン
コンビネーションスピン【CoSp】
キャメルスピンからシットスピンなどへといくつかのスピンを姿勢を変えながら続けて行うことをコンビネーションスピンと呼びます。
アップライトスピン、キャメルスピン、シットスピンの3種類のスピンをどの順でやるという規則は有りません。1つのスピンは2回転以上する必要があります。別のスピンへと変わる中間に中間姿勢が入っていても大丈夫です。
主なスピンはこのようになっています。
- アップライトスピン USp
- レイバックスピン LSp
- キャメルスピン CSp
- シットスピン SSp
コンビネーションスピンはこのようになっています。
- フライングアップライト FUSp
- フライングレイバック FLSp
- フライングキャメル FCSp
- フライングシット FSSp
- (フライング)チェンジフットアップライト (F)CUSp
- (フライング)チェンジフットレイバック (F)CLSp
- (フライング)チェンジフットキャメル (F)CCSp
- (フライング)チェンジフットシット (F)CSSp
- (フライング)コンビネーション (F)CoSp
- (フライング)チェンジフットコンビネーション (F)CCoSp
チェンジフットは、足替えという意味です。
採点は、5段階で評価されます。
- レベルB
- レベル1
- レベル2
- レベル3
- レベル4
スピンの得点は?2018ルール改正での変更点は?
スピンとコンビネーションスピンの得点の違いは?
フィギュアスケートのスピンの得点は、単体で行うよりもコンビネーションにしたほうが、得点は高くなります。
例えば、キャメルスピンを単体でおこない、レベル3だった場合のスコアは、2.4。ですが、『フライングチェンジフット(足替え)レイバックスピン』というコンビネーションスピンにしてレベル3だった場合は、2.8というスコアになります。
少しずつの要素を足して、得点を稼いでいきたいですね。その他のスピンの得点は、このようになっています。
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2018年6月のルール改正でのスピンの得点は変更するのか?
ISUの『SPECIAL REGULATIONS & TECHNICAL RULES SINGLE & PAIR SKATING and ICE DANCE 2016 』からの変更点がスピンに関してもありそうですが、ジャンプ程の大きな変更点はなさそうです。
詳しく発表されましたら追記していきます。
まとめ
『フィギュアスケートはジャンプばかりじゃない!スピンの見分け方や種類・得点は?』として、まとめてきました。ついつい目が行きがちなジャンプですが、スピンもすごく高度な技術で選手たちは演技をしているんですよね。
フィギュアスケート教室で目の前で安藤美姫さんのスピンを見たことがありますが、スケート靴のエッジの音と、その回転の速さ。すごい技術だと思います。ジャンプばかりに目が行きがちなフィギュアスケートですが、スピンも注目されるといいなと思います。
間違いがないように書いてきたつもりですが、何かありましたらメッセージからお知らせくださいね。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。